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オランダの学校教育9 スタディハウス批判・生徒の権利と教師の権利
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リヒテルズ直子さん
Date : 2003.03.10
Number : 009
ML ID : [diversity:1000]
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スタディハウスは、導入後まもなく教師や生徒から非常に多くの不満の声を受けることになった。
新制度のカリキュラムでは、十四科目の学習は、実験や観察・調査さらに情報を蒐集しての報告や読書報告などを含めても生徒の学習時間は、学校での授業も含め週に約四〇時間で十分である、との文部省の見解であった。
しかし、生徒らは、新しい授業形態に慣れず、とても規定の時間ではこなせない、という生徒が続出した。また、これまで教壇から教科書の内容を教えるだけの授業を何年もしてきた教師らは、個別指導に慣れず、個々の生徒の異なる関心によって課題遂行も多様化し、それを指導し評価することの困難に直面した。
実際、課題には、学校の授業の合間や放課後に他の生徒と相談して共同で行う社会科学や自然科学のプロジェクト、博物館・美術館の訪問と報告、言語教育は国語であるオランダ語のほか英語、フランス語、ドイツ語が必修で、それぞれ相当量の本を読み報告をしなければならない、などと、時間や手間ひまがかかるものが多く、効率よく計画して、学校にいる間にも要領よく学習を進めていなければ、平均レベルの生徒には、とても規定の時間内ではこなすことが出来ない。
というわけで、一九九九年九月の新制度実施からわずか三ヶ月後、ロッテルダムに近いフラールディンゲンという町の高校一年生が提案した抗議は、インターネットを通じて全国の高校生から多くの支持を得、さらに、教師たちからも少なからぬ共感を得て、たちまちのうちにスト委員会の設立に至った。設立後も支持は急速に広がり、ついに、十二月六日には、全国から約二万人の高校生が、国会議事堂のあるハーグ市に集まり、新制度に対する集団抗議集会と抗議行進を実現させた。
抗議集会に向う列車の中で、友人らと携帯電話で連絡を取り合い、教科書を開いて宿題をしながらやってきた高校生は、『週に四〇時間しか働かなくていいお父さんが羨ましい』『アルバイトの暇もない』『勉強ばかりでガールフレンドに合う暇もない』『僕達は教育改革の実験用ウサギじゃないんだ』『冗談もほどほどにしてくれ』などと書いたプラカードをもって集まった。高校生の抗議に応えるべく、果敢に壇上に現れた文部省の教育次官アーデルムンド女史に、生徒らはサンドイッチやリンゴ、バナナや卵を投げつけた。
女史は、壇上で、『スタディハウス』の重要性を強調するとともに、「私たちは、この制度をどのようにしたら成功させることが出来るか、あなたたちの声を聞きにきました」と呼びかけた。
集会後生徒らは国会議事堂まで行進し、多少の乱暴も働いた。六〇年代の学生運動が契機になって出来た保守党左派の「民主66党」や野党・環境保護派の「緑の党」などが生徒の抗議を支持した。
実際、その後まもなく、国会で実施2年目以降の内容軽減が暫定的に決議された。また、今年一月には、二〇〇五年にスタディハウスの履修内容の軽減を目的とした全体的な再編を実施することが決まった。教育を受けている生徒自身との対話が実現している。
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