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オランダの学校教育4 『刷新教育』その1 個性の尊重
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リヒテルズ直子さん
Date : 2003.03.05
Number : 004
ML ID : [diversity:0963]
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オランダの学校史の本などを開くと、鞭を持って教壇に立つ教師、怖い顔で生徒を睨みつける教師の絵などが時々出てくる。戦後暫くは、子供が教室で自由に発言できないような、日本の教室のような雰囲気がないでもなかったらしい。それが大きく変わってくるのは、戦後、とくに一九六〇年代以降、経済が安定してきてからのことのようである。
この時期に、二〇世紀の初頭にヨーロッパやアメリカで教育学者らが提唱した教育実践や、実験校の体験などが、オランダでも実際に学校教育に取りいれられるようになってきた。オランダで実際に設立された学校は、晩年をオランダで過ごしたイタリア人の医者マリア・モンテッソリの提唱した『モンテッソリ教育』、ペーター・ペータセンがドイツのイエナの大学で開発した『イエナ・プラン教育』、アメリカ人教育実践者ヘレン・パクハーストの提唱した『ダルトン教育』、フランス人教育学者セレスティン・フレイネの始めた『フレイネ学校』、そして、日本でも大変馴染みの深いドイツ人哲学者ルドルフ・シュタイナーがはじめた『フリースクール』が主なものである。
これらの学校は、総じて『刷新教育』と呼ばれ、従来からあった、同年齢集団に対して同じ教材を使い、同じ知的達成度を求めて、教師が一方的に子供たちに対して教育を与える、という型にはまった教育に対するオールタナティヴとして、様々な独自の方法で、主として生徒「個人」を教育・発達の起点とする考え方に立った教育方法である。
それぞれに強調点や方法にはかなり異なる点があるが、およそ次のような点で、共通点が見られる。
−複数の子供達に共通の目標を与えるのではなく、個々の子供の発達を尊重すること。
−好奇心・自主性や独学の態度などを強調し抽象的な知識よりも具体的な生活の中から学ばせる。
−競争よりも協同、教師の指導よりも個人やグループでの学習、数値化された評価でなく記述的な評価を重視する。
−知性や知識ばかりでなく社会的・情動的な発達を重視する。
これら『刷新教育』の原理に基づいた学校は、主に初等教育を中心に活動しており、設立以来数は変動しているが、現在、全国の合計150万人の小学生のうち、約7%強がこれらの教育を受けている。(モンテッソリ校約160校・生徒数4万人、イエナプラン校約240校・生徒数1万人、ダルトン校166校・生徒数4万人、フレイネ校14校・生徒数2500人、フリースクール75校・生徒数14000人)従って、数にしてみれば、10分の1にも満たないが、これらの『刷新教育』はシュタイナーを除いては、宗教・倫理的な信条には一切触れていないので、宗教系の学校でも、また、特に宗教や方法を旗印にしない学校でも、部分的に多くの方法や教材が取り入れられており、学校教育全体に対する影響力は非常に大きい。『輪になって自分の体験を他の生徒に話す』『しばしば年令の異なる子供の小グループで学びあう』『個別の課題を貰って個別に学習する』などは、今日ほとんどのオランダの小学校が実践している。
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