〈教育の多様性〉の会
  松下村塾 教育の原点を問う
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  4.松下村塾 (9)学習の方法
荒井英治郎さん

Date : 2003.04.21
Number : 021

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安政5年6月、松陰は『諸生に示す』の一文を書き、学習の心得を塾生たちに呼びかけた。その要点は「学の功たる気類先づ接し、義理従って融る。区々たる礼法規則のよく及ぶ所に非ざるなり」ということである。つまり、礼法や規則によって学習の効果があがるものではなく、師弟の人格的接触によって互いの心が融合するとき、意義・道理が理解できるようになるのである。そのためには、畳の上での講義だけではなく、「相労役」して親睦を深めることも大事だが、師弟や塾生同士がよく発言して語り合い、討論し切磋琢磨することを求めている。

松下村塾の学習は、講釈・会読・順読・討論・対読・看書・対策・私業に分類される。
「会読」は「大学会」「孟子会」というように、教科書の内容によってグループが分かれる。「順読」とは「輪講」ともいう。塾生が順番に講義をして質問に答える演習である。「対読」は松陰と塾生、読書力のある先輩と弟弟子が、机をへだて一対一で向かい合って読む個人教授。「看書」は、自習。「対策」は塾生に課題を与えて討論を書かせ、松陰が批評し添削する。作文指導の一種だが、之によって人物の個性が観察でき、それに応じて指導する重要な課目である。「私業」は任意の読書で、読了後に皆の前で所感を述べ、批評を受ける。この中で松陰が力を入れたのは、会読・討論・対読・対策・私業だった。
松陰の「講釈」は『講孟余話』『孫子評註』に観られるように、その博覧強記縦横の緻密な後述は、微に入り細にわたり、一言一句おろそかにしない徹底したものだった。

 
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