〈教育の多様性〉の会
  小貫大輔 vs 古山明男 教育の多様性対談
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  過激にクリエイティブな人たちがいないと
古山・小貫さん

Date : 2002.12.19
Number : 019

ML ID :
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小貫: そうそう。そういうね、良さを活かしながら、ソフトランディングしてほしい。だけどね、日本の中に、あるパーセンテージね、ちょっと過激にクリエイティブな人たちがいないと、民族が滅びちゃう。だから、何パーセントっていうレベルでいいから、数パーセントっていうレベルでいいから、蓄えとして、日本の中に非凡な人が生きる場所が必要だと思う。平凡な人がみな死ぬ病気が流行っても、そしてそれは実はグローバリゼーションという名前をもらって世界ですでに流行りつつあるんだけど、ちゃんと治療薬が準備されているようにしていないとさ、みんな一緒に倒れちゃうんだから。
 平凡っていうのは変な言い方だな、実務型といった方がいいかな。この民族には、やっぱり実務の上手な人が大半であることは続くと思うんですよ。しかし、そういう中で、判断力とか、芸術力とか、そういうところに長けた人たちがあるパーセンテージいなきゃいけない、この国に。それが次第に全員に浸透していって、それこそ30年間くらいかけて、日本人全体が、少ーし判断力が豊かになって、自主性、創造性、芸術性が豊かになって、と、ステップを踏んで民族が成熟していく。バランスのとれた民族になっていく。その道にのりたい。
 バランスがとれたところに辿り着いても、でも、世界の中では、やっぱり、さすがに日本人っていうのは実務力ではいまだにりっぱだね、と言わせるものを残すべきだと思う。それが、ソフトランディングの意味でもあると思います。
 さて、みなさん、なんかちょっと我々で言いたい放題だったので、最後になりますが、何かあれば言っていただければと思います。

参加者: ずーと聞いてて、いったいどこから言っていいのかという感じが……、なんかまとまりかけているし……。軟着陸しないと、むこうが文部科学省が放棄してしまうと、結局、私の友人たちもそうですけれど、別にシュタイナー教育のようなことを自分たちでやりたくない、今のままで不満もあるけれど、でも自分たちが一生懸命、主体的に関わる気はないという人たちがいる。やっぱり文部科学省のやる政策っていうのが、おっしゃったように残る部分っていうのが大事なんじゃないかなと思っています。でもその時に、いったい私たち、ごく1パーセントの人たちが、どういうふうにうまく、文部科学省に働きかけることができるか。昨日の会とかを見ていると、衆議院議員の人がいて、文科省の人に対して、「この人たちは大臣じゃないんだから、判断できる立場じゃないんだから、聞いても無駄だよ」みたいな言い方をしていた。それは上から下、上の人が下の人にものをいう言い方なので、心理的にかなり抵抗があるだろう。そういうところにいて、肩身の狭い思いをして、いじめられてきた人たちだから、小貫さんが最後にラブコールをして、文科省の人たちの今までの実績と、クリエイティブな部分を合わせて一緒にやっていきたいんです、と言っても、心が閉ざされていて、全然通じない。なんでおまえらに言われなきゃなんないんだ、俺たちが。みたいな感じになってしまう。だからそこのアプローチを、本当にもう、こっちが、相手をたてて、うまくやってく、そういうアプローチって、私たち主婦に、いったい何ができるんだろう。

小貫: 相手をたててってわけじゃないんだろうけど、やっぱり相手を理解しないといけないですよね。彼らだって、彼らなりの人生があって、悩みがあってという人たちなんだからね。
 ただ、不登校の学校には30日休んだら入れるとか言われちゃうと頭きちゃうよね。自分の子どもを見ていて、たった2ヶ月半で、あそこまでね、あんなに健康だった子どもの心が、こんなにあっという間に傷ついてしまうっていうのは、ぼくにとっては衝撃的でしたよ。それを経た人だけは解放します。あなたには不登校ってハンコを押してあげる。あなたは不登校ですね、ってことでしょう。
 昨日も、あの不登校経験者の女の子が言ったみたいにね、「(今、フリースクールに通いながら元の中学校に学籍があるのは)それを受け入れればいいことなんだろうけど、私にとっては屈辱的なことです」って彼女が言ったのは、まさにそのとおりだと思う。屈辱さえ我慢してくれれば、あなたを解放しますよって言っているんだよね。悲しいよね。本当にね。文部科学省のために悲しいですよ。

古山: ぼくなんか、ほら現場で、不登校の子どもらいっぱい相手にしているでしょ。だから怒り狂っちゃうよ。

参加者: それは、彼らが判断しているわけじゃなくて、それこそね。そこに書いてあるから、やってるんだよ、ほんとに、形式的なことを照らし合わせてやっているわけでしょ。なんで形式的なことを大事にキープする必要があるの。

小貫: オランダ人だったら、役人でもあの回答はなかったと思う。あそこの場面で。あそこでものを判断する人は、ここで30日というふうに回答をすることが、どんなに非人間的であるかということを判断したと思う。「私には答えは申し上げられません。これは省内に持ち帰ります」と、少なくともそう言うと思う。
 サンドバッグになってきてくださいっていう仕事ですよね。彼の仕事は。不幸な状況だよ。一番いやな仕事じゃないかな、これからの数年間。初等中等局で働くということは。

古山: つらいかもしれないけど、俺が引き受けるっていう人がいてくれないとね。そういう人たちを、敵と思っちゃいけないよね。公務員というのは、判断していいのはトップだけ。そのトップも法律の枠の中でなけりゃいけない。だから、法律が社会と合っているうちはいいけど、法律が時代遅れになると、官僚機構全体で、世の中の邪魔をしちゃう。江戸幕府の全体がこれでしたよ。

参加者: 昨日あの女の子が話すのを聞いていて、自分の子は最初から東京シュタイナーシューレにめぐりあって、自分にあったところに運良く通うことができているけれど、もしあのまま公立に行っていたら、途中で行けなくなっていたと思う。それを私は最初からなんか感じとっていたんだと思う。それを予知してここを選んだんだと思う。12年生までシュタイナー教育をここでやってほしいんだけど、なかなか受けてもらえない。

小貫: 先ほどね、ぼくは、ソフトランディングで、文部科学省型教育9割、その他1割みたいな状況って言いましたが、1割っていうのは、たぶんね、日本では不可能的に難しいと思う。なぜかっていうと、1500万人の小中高生がいる中の150万人を面倒みれるだけの教育力っていうものが、オルタナティブな教育の側に教師の数としてない。あまりになさすぎる。150万人をみるというのは教員の数にすると7万人の話なんですよ。シュタイナー教育だって、ヨーロッパみたいに1パーセントの子ども、15万人をみるとしたら、教員が7000人必要なんであって、それも全然できない。全くできない。7000人の教員をつくるために何年かかるか。だから、そういう実務的なレベルから逆算していくと、日本でソフトランディングというのは、オルタナティブ教育全部あわせて1パーセント程度と、文部科学省型99パーセントっていう話しになっちゃう可能性があると思うんです。

 
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