| |
|
|
| | |
|
古山・小貫さん
Date : 2002.12.19
Number : 017
ML ID :
|
|
|
|
| |
小貫: ぼくはどんなにすばらしい教育学でも、それを全国で一斉に全部やることはドツボる道だから止めておけと言いたい。たとえばシュタイナー教育がいいと思っていたって、日本中でシュタイナー教育をやりましょうというふうに法律ができたら、それほど恐ろしいことはないよね。娘をシュタイナー学校に行かせる私だって、それだけは絶対に阻止する(笑)。
古山: ホームスクールをやってるけど、みんなホームスクールだったら大変だよ、ただの教育崩壊だよ。授業しないんだもの。やっぱり、やりたい、やれるという人たちがやっていくから、いいのであって……。
小貫: 文部科学省の批判だけがちょっと続いてるんですけど、公教育はやっぱりちゃんとしていてくれなければ困る。文部科学省の決める教育が全部−100%というのがまずいというだけです。
国民の期待、望む教育の姿というものを最大公約数的に提供できるのはやはり公教育、文部科学省の教育学の影響を受ける学校体系でしょう。例えば、シュタイナー教育を望む人の割合というのは、ヨーロッパだって高々1%なんですよね。日本ではシュタイナー教育を実践できる教師の数にそもそも限界があるから、1%もの子どもを受け入れることは、当分の間できそうもない。どんな時代がきても、主流としての教育は公教育とやはり文部科学省の教育思想を実践する普通の私立学校、9割くらいの人たちがそういった教育を受けている状況が続くと思うんですね。
オランダでは国民の約3分の2が私立の学校に行っていますが、これは例外的。オランダでは、1917年という第一次世界大戦の最中に法律を改正して、公立学校も私立学校もまったく同じ額の公的資金を受けることのできるようにした。それでも大部分の学校は公立学校と、カトリック、プロテスタントの私立学校で、オルタナティブな教育をする学校は全体の1割程度でしょうか。
文部科学省の役割は、やはり重要。教育の自由化の過程で自らの責任と役割を下手に手放して、なんでもあり、全部勝手にやってくださいというふうにしてはいけないと思うんですね。
古山: もう寿命が見えるところまできちゃったでしょう。そうすると逆にね、これに美しいところはあるのかなぁ、いいところあるのかな。てそういう目で見るようになってくる。今まで批判ばっかりしてきてるんだけれどね。感覚でね、この日本人たちのもっている、それも教育によって創られたらしいという部分、やっぱりいいものがあると思う。これは外国に出るとわかるんですよ。日本にいるとわかんないけども。何かねぇ、何かきれいなものがある。ただ全部なくすというのは危ないと思う。純粋学問をカリキュラムにしたってことと、信じてコツコツやることがあったってことかな。まだ、よく調べてないから、わかんないけど。
やっぱり、いろんな道を開いておけば、いいだけのことなんですよ。教育ってのは、作るのに、5年10年かかるんだ。校舎建てるのとちがうんだ。いきなりは、無理だよ。
小貫: そうそう。ぼくのイメージとしてはね、文部科学省の教育思想に従うもの9割、その他1割というのが、結構いい線いってるんじゃないかなと思うんです。
古山: その、1割のほうの大部分は、今ある学校の改革ではなくて、その外側に新しくできてこないといけない。市民や教員たちが、自分たちで作るんです。憲法で教育の義務を負っているのは親たちなんだから、子どもに合った教育がなければ、自分たちで教育を作らなきゃならない。
今の学校がカリキュラムを変えればすぐになんとかなる、っていうものではないんですよ。別なことをやるには、別な精神がいるんです。先生や生徒に対する管理機構をそのままにして、カリキュラムだけ大胆なことをするでしょ。これは、体に合わない服を作ってしまう。とにかく、あの教員管理機構じゃだめだ。3年もいると、みんな、きれいなお説教ばかりして、用意された言葉でしか現実を見なくなる。
学校はいままで、強制だけで成り立ってきてるでしょ。見えない登校圧力のこと、学校関係者が理解していない。それを急に緩めると、中途半端なものができるんです。生徒を教室に無理やり座らせておいて、先生が顔だけニコニコして、「みなさんの好きなようにやりましょう」みたいなの。これは、みんなの不信を買って、崩壊してしまう。いまの学級崩壊のかなりは、これじゃないかと思っています。
学校は学校で、きちんとやり続けて、ただし、それに合わない人のために、教育選択の自由と、学校設置の自由を認めればいいんです。
そのうち9割の中でもね、だんだん、だんだんと教師たちが実践を増していってね、だんだん少し分かれてくる。自然にこういかなきゃいけないですよね。最終的には、7−3くらいまで行ってほしいけどね。
|
|
|
|