〈教育の多様性〉の会
  小貫大輔 vs 古山明男 教育の多様性対談
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  ドツボってること
古山・小貫さん

Date : 2002.12.19
Number : 012

ML ID :
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古山: 生き生きとしたものが必要な領域がおかしくなっている、特に教育と経済でしょう。芸術や文化や言論は、憲法で自由を保障して、余分な法律を作らなかったから、順調に伸びた。ところが教育は、戦後復興体制のまんまで、ソ連と同じに統制されてた。「精神の自由」に「教育の自由」を含めてないもんで日本の、いろんな文化まで浅くなっている。学問、芸術、思想には、教育をワンセットにしておかないと、順調にいかないんです。
 教育をなんとかしなきゃといいつつ、これはまあ江戸幕府かソ連かという状態になっちゃった。もちろん、これを変えるのは、体制を壊せばいいんじゃなくて、それは本当にその場その場で人々がこれが必要だ、こうやったらうれしいんじゃないか、それこそ、そうやってわっとやってきて、初めて成り立ってくるんですよね。
 ソ連などは、経済も官僚がやろうとしたら悲惨なことになっちゃった。ゴルバチョフの回顧録を読んだんだけど、政府の仕事というのは実は、ここが何万トン生産できるからそのうち何千トンをここにまわして、輸送施設が必要だからそのためにここをどうするとか、そうするとまた別なことを考えなくてはならなくて、ひたすらそれの計算ばっかり政府がやってるんです。政治やってるヒマないですね。おまけにあそこは、「経済がすべてを決定する」っていう哲学なんだから。やればやるほど大変になっちゃって悲鳴をあげちゃう。政府がいくらいい計画を立てても、現場は「また、俺らがやらされるのかよ」くらいにしか思わないしね。現場は、舌をペロンと出して、テキトーにやって、生産物はどんどん闇市場に流してしまう。だもんで、政府は計画変更につぐ計画変更。

小貫: ドツボってましたよね。今の日本の教育もドツボってます。ゆとりから学力重視へといきなり方針転換をするあの様は、ドツボってるときの典型的な行動パターンですよ。大工さんに家庭争議を解決させようとするから、悲劇です。
 ただ、日本人は世界の民族と比べて、確かに、やれと決まった時にやりとげる能力がとても高いと思う。日本の今の状況は、新しい時代がきた中で、新しい時代に必要な明確な目標を持ちえずにいて、民族的にそういう状況が苦手な民族だから、苦しいだけなんだと思います。

 
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