1981年の初公演から数えて3度目の全国ツアーとなる今回の公演には、3つの楽しみがある。
まず、伴奏者としての
音楽家
がすばらしい。気鋭のヴァイオリニスト、ガブリエル・コー・カメダがいる。
日本人の医師を父にもつこの若手ヴァイオリニストの音楽性は、あまりにも繊細で、透明で、かぎりなく美しい。
現在20才の若きピアニスト、ローレンツ・パッツラフは、シュトゥットガルト・シュタイナー学校の学生であるが、すでに数々の音楽文化賞を受け、ソリストとしても、著名なオーケストラの伴奏者としても高名を馳せている。
そして、なんと言っても楽しみなのは、世界的ハープ奏者ウルスラ・ホリガーである。
彼女は、ソリストとして世界中で活躍し、ベルリンフィル、ウィーンフィルなどとも協演している。
2つめの楽しみ、それはピーター・ジャクソンによる照明である。
ゲーテの色彩論を基調にした彼の照明から、あるときは山川草木自然の色の世界が、そしてあるときは虹の世界が舞台の上に織りなされる。
そして3つめの楽しみは、ミヒャエル・レーバーを中心とした11名による大編成のアンサンブルだ。
音が満たし色があふれる舞台の上に、フォルムとダイナミズムによる生命が注ぎ込まれる。
このすばらしいエルゼ・クリンク・アンサンブルの舞台を三度日本で味わえる幸せを喜びたい。