ELIANT 100万人署名キャンペーン

ELIANT 100万人署名キャンペーン

1 MILLION SIGNATURES ELIANT

このページではELIANT 100万人署名の背景についてご案内しています。

ELIANTとEUの多様性

ブリュッセル(EU本部所在地)におけるあらゆる政策と立法に何らかの影響を持続的に働かせることはいったい可能なのでしょうか?

ブリュッセルは遠すぎる。物事はそこで勝手に取り決められ、私たちにはそれをどうすることもできないのだ……。

残念なことに、こうした懐疑的なあきらめがしばしば聞こえてきます。 このウェブサイトで取り上げているような、アントロポゾフィー関連のそれぞれのイニシアティブがまとめたネガティブな干渉の事例は、こうした懐疑主義を正当化するように見えます。 実際は、適切な方法で取り組みさえすれば、その逆も真であるといえるのです。 ではどうすればいいのでしょうか。

EUの管轄する司法権の範囲について

最初に私たちは、EUが実際にカバーする司法権の範囲とその根拠について学ばなくてはなりません。 言い換えれば、EUの司法権が及ぶのがどの特定の分野なのかを知る必要があります。

それはEUの50年の歴史のなかできわめて自然に拡大したEUの目標、およびその活動領域に伴って生れた分野です。 この核心となるところは共通の市場の成立、つまり人々、物資、サービス、そして資本がEU加盟国の国境を越えて自由に行き来することにあります。

この自由に対する障害がよく発生するのは、国家が自らの民と経済を他の国々より優遇する傾向があることがもとになっています。 こうしたいかなる分け隔ても、ここで言及されている自由を保証するためには取り除かれなくてはなりません。

逆説的ではありますが、自由主義的な目標を達成するためには、EUは、各国の立法によって起こっている妨害を取り除くために多くの法律や規制を発行しなくてはならない実情があります。 こうして一般化された欧州法はしばしばそれぞれの国の法律と置き換えられていきます。 つまり、どの国も国内法化を余儀なくされるか、または欧州法自体が直接加盟国に適用されることになります。 専門家は各国議会の立法計画の80%までがブリュッセルからの法令に基づいたものであると算出しています。

人々、物資、そしてサービスの自由な交流と流通に関連する多くの分野における立法活動が影響を受けています。 以下はその一例です。

  • 農業生産を推進するために共通の農業政策が必要となる
  • 消費者とその健康は貿易品として流通する食品や医薬品の危険から守られなくてはならない
  • 人々の自由な移動による公衆衛生上のリスクを防がなくてはならない
  • 生産者の足かせとなる環境保護規制は調和されたものにならなくてはならない

こうした拘束力のある法的規範の他に、加盟国の手続きを調整したり、特定の欧州のプロジェクトを主として財政的に推進したりする手段として、その他のEUの活動があります。 こうして例えば次のような手段でEUは加盟国をサポートしていきます: 一般市民、そして専門家の教育/訓練を高い水準に引き上げ、それを欧州が掲げる自由な人の移動の要件に連動させ、調査研究と開発も同様に推進する。

意思決定のプロセスについて

第二に私たちは、欧州法やその他の決定がどのようになされているかを学ばなくてはなりません。 言い換えると、立法府と意思決定のプロセス(それはまったく、きわめて単純なものです)を知る必要があります。

法律を定めるためには誰かが提案を行なわなければなりません。 初めから各国の利益からある程度は独立していることを確認するために、提案権は加盟国から独立した組織である欧州委員会(EC)に移管されています。 欧州委員会は政治家とEU官僚により構成され、加盟国のいかなる指示も受けないことになっています。

欧州委員会の立法提案はその後、閣僚理事会(EU理事会 CONSILIUM)の加盟政府代表が審議し、欧州議会(EUROPEAN PARLIAMENT)に諮られます。 後者は直接選挙で選出される欧州議会議員(MEP)で構成されています。

欧州法は、通常、EU理事会と議会が法案の文書に合意したときのみ効力を発します。 詳細はここでは省略しますが、これを可能にするために、欧州委員会の提案はEU理事会と欧州議会の両方で様々な手続きを経ます。

欧州委員会は、権限を授与された特定の場合に限り、決定権を行使できます。

全般的な戦略

当然のことですが、EUは単に個々の欧州法と決議案を必要としているのではなく、EUの諸々の組織や加盟国の行動の基盤となる共通する全体的かつ長期的な戦略を必要としています。 この戦略はECの首脳会談で決定されます。 これは加盟国の政府の首脳で構成されています。 欧州議会議長は首脳会議で意見表明し、欧州委員会委員長は諮問的投票(拘束力はない)をすることで参加します。

一例を挙げると、いわゆるリスボン戦略(リスボンで採択されたためこの名がある)です。 EUを世界有数のダイナミックかつ競争力のある知識に基づく経済エリアに発展させることを目標に定めた戦略です。

広い経済領域を横断する立法を統一化するためのこうした努力が払われている中で、人々が懸念や関心を声にだすことをしないならば、多様な人々の生活様式はリスクにさらされることは明白です。

さまざまな団体と市民社会

EUで特定の利害関係をもつ人々の利益を代表するための第三の条件は、人々が結集して欧州アライアンス(連携)を形成する、というものです。 ELIANTを支持する団体はいずれもこれにあたります。 各団体は自国の政府(これまで見てきたとおり、ブリュッセルの意思決定に関わっています)にその存在を明らかにするために、組織的なキャンペーンを使うことができますし、またそうすべきです。 また各団体は可能な限りブリュッセルに担当調整事務所を設け、代表をおき、関係する分野について、志を同じくする市民社会組織だけではなく、欧州委員会、欧州議会、欧州理事会と接触します。 そして状況を見ながら、タイミングよく発言します。 多くのELIANTを支持する組織はこうした事務局を持っています。 このアライアンス(ELIANT)自体も近い将来事務局をブリュッセルに移す予定です。

ブリュッセルには人脈を開拓するまたとない機会があります。 何百という市民社会の団体や組織がが代表を送り込んでいるからです。 欧州委員会と議会は会議や聴聞会を開いています。 会期中の欧州議会だけでなく議会の委員会も、すべて公開されます。 加盟国や地域の政府機関はプレセンテーションとレセプションを催します。 メディアは至る所に入り込んでいます。 さらに欧州の諸機関の業務と活動はインターネットを通して驚くべき透明性が確保されています。

Europa : Gateway to the European Union

このようにしてブリュッセルの地理に詳しく、いくつかの言語を話し、自分自身の主題に精通していれば、ブリュッセルではチャンスはたくさんあります。 欧州委員会が立法提案する前に、こちらの主張の正当性を説得することに成功すれば、すでに道半ばを越えたといえます。

ブリュッセルでの誠実で考え抜かれた陳述によって、アントロポゾフィーに基づく精神科学(霊学)に対する一般の関心と認識を高める仕事は、ELIANTとELIANTを支援する様々なイニシアティブの統合体の協同作業となるでしょう。 これは農業、食物生産、医薬と医療、そして教育と社会的なセラピーにおける科学的なアプローチの多様性を適切に考慮した決定をEUが将来的に行うための土台となることでしょう。 これは一方では、このイニシアティブに取り組んでいる諸グループの利益にかなうものですが、他方では、「人間の価値と尊厳を具現化したヨーロッパ」に広く貢献することにもなるでしょう。

ユルゲン・エルトメンガー博士
Dr. Jürgen Erdmenger

※ 次の記事
BD農業とその食品についての事例

この翻訳は2008年6月7日のELIANTワールドディに向けて公開された暫定のものです。 今後、適宜改訂していく可能性がありますことご了承ください。

■ 本ページの改訂記録 ■
参照ページ
http://www.eliant.eu/new/lang/en/?p=35
公開日
2008年6月5日
最終改訂日
UP2008年6月16日
■ 翻訳協力 ■
ELIANTワールドディ翻訳プロジェクトチーム
浅野英公子 / 浦上裕子 / 中村麻理 / 冠木友紀子 / 秋元香里
ブレイクリー よしこ(カナダ) / 多々良陽子(カナダ)
監修・編集
入間カイ / 佐藤雅史