Apr. 2007 / No.62
オイリュトミー集中クラス
アルファと歩んだ4年間
今月のこの人:松山由紀さん インタビュー
プロとしてのオイリュトミスト養成のための4年コース・アルファが2007年4月3日、4日の2日間にわたり卒業公演を行いました。 今回は、4年間アルファを指導されたオイリュトミスト松山由紀さんへのインタビュー。 オイリュトミーにかける由紀さんの情熱をどうぞ受けとってください。 (写真:2003年、オイリュトミー集中クラス・アルファの始まりの頃の練習風景)
Forum3:アルファの卒業公演、すばらしかったです。 構成もよくて、皆さん好感をもたれたようです。
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松山由紀さん
シュトゥットガルト・オイリュトメウム卒。 1998年に宇佐美陽一とオイリュトミースタジオ・ルラを結成。 2003年4月よりオイリュトミスト養成クラス・アルファ責任者。 4年間の課程を2007年3月終了。
国内外で数多くの舞台公演の実績がある。最近の上演作品としては、
- 『はなの橋』(2005)
- 『笛市』(2006)
- 『きつねの窓』(2006)
- S.グバイドゥーリナ『ピアノソナタ』(2006)
※ 世界舞踊祭国際交流賞- 『百合の精』(2007)
などがある。 今年2007年10月には、ドイツでのオイリュトミー・フェスティヴァルに出演予定。
松山:それは嬉しいです。
Forum3:まずアルファの始まりをお聞きしたいのですが。
松山:私と宇佐美陽一がドイツから帰国して、オイリュトミーのいろいろな可能性を試しているうちに、オイリュトミーの将来のことを考えるようになりました。 これからはプロの養成がとても大切なことだし、私自身もオイリュトミストが育っていく全プロセスにていねいに関わってみたいと思いました。
Forum3:それで始めようと。
松山:ええ。 宇佐美も賛同してくれて。 当時、スタジオを借りられたことも大きかったです。 ここでオイリュトミーを深め、研究し、研鑽していける。 そういう場が出来たとき、自然に「養成」という言葉が出てきました。
Forum3:始められるときに、何か方針はありましたか?
松山:自分がやってきた成果や信念に妥協することなくやるべきだと。 オイリュトミーはまだまだ発展の途上にあると私は思っています。 その事実に厳しく向かっていこうと思っていました。 音楽もそうですが、言葉では日本語をどのようにオイリュトミーにしていくかという大きな問題があります。
Forum3:具体的にはどのように取り組まれたのですか。
松山:ずっと舞台で試行錯誤して学んできたことに、生徒たちと一緒に取り組むことが研究の場だったと思います。 「こうである、こうあるべき」というやり方でなく、ともに作品に取り組むプロセスから気づきや問いが生まれていきました。 それがオイリュトミー学校を日本でやる意味だと思っています。
Forum3:生徒たちと動くことで、見えてくるわけですね。
松山:そうです。 教えているときには、私は見る側に立つわけです。 自分が何度も取り組んできた作品でも、初めて見えたことがたくさんありました。
ドロテア・ミーアさんとともに
アルファの後見人ドロテア・ミーアさんは、アメリカのスプリングヴァレー・オイリュトミー校の責任者。 これまで何度も日本各地でワークショップや公演が開かれています。 今年11月にも来日される予定です。
「 生徒さんたちが、自分自身をことばそして音楽のための楽器へと変容させるべく努力している様子を、共に深く体験できたことは大きな喜びです。 終わりは常に新しい始まり。 その意味で、未来への第一歩を祝いたいと思います。 」 (卒業公演プログラムの祝辞より)
※ 写真、左端から松山由紀さん、ドロテア・ミーアさん、宇佐美陽一さん
Forum3:見るということでは、ドロテア・ミーアさんが後見人をされたことも大きいのでは?
松山:プロの養成には、ゲーテアヌムが認めるディプロマが必要になります。 そのためにドロテアさんに後見人として立っていただいたのですが、外からの客観的な目という意味でも、彼女の存在の大きさは切実に感じました。
訪日してくださった彼女がアルファの練習の様子を見た後、「後見人になりましょう」と言ってくださったときは嬉しかったですね。 そのとき彼女が、「本当の出会いというのは希有なものです。 心から自由に話せる友人も多くはいない。 こんな風に出会い、こんな風に自由に話せることは、私への贈り物だと思います」と言ってくれたんです。
Forum3:いい言葉ですね。
松山:それからはたくさんやり取りをしましたね。 本当に親身になってくださって。 私たちのやり方に介入はせず、授業してくださるときも、「今度は何をやってほしいの?」って必ず聞かれるんです。 そういう意味でもすばらしい指導者だと思います。 彼女のそういうあり方から学んだことが大きいですね。
写真:アルファ卒業公演よりA.ボンキエルリ『時の踊り』(写真:佐竹明)
Forum3:その出会いがアルファをつくったのですね。 卒業公演は全体の統一感がよく伝わってきました。
松山:仲よしグループだったのかな。 これも運命ですね。 小さなスタジオでずっと一緒に、オイリュトミーという非常に繊細なものと取り組むわけです。 当然、いろいろなことが起きます。
それもオイリュトミーの大事な修行のひとつなんです。 4年間の意味はそこにあると思えるくらいに。 私にとっても辛い体験でしたが、それを皆でともに通過してきた実感がありますね。
もうひとつ意識してやったのは、スタジオ・ルラの公演活動への関わりです。 舞台公演をどのようにつくっていくのか、実地に学んでほしかったのです。 今ではすべて自分たちで段取りできるようになりました。 舞台というのは総合的なものです。 そこをよく学んでくれたなぁと感じています。
オイリュトミー集中クラス
アルファオイリュトミー集中クラス・アルファは、充電期間をおいて第2期の開講を計画中です(開講時期は未定)。 詳細はオイリュトミースタジオ・ルラにお問い合わせください。
オイリュトミースタジオ・ルラ
横浜市南区宿町2-40-223
T/F.045-716-3141
http://air.ap.teacup.com/musica/
e-mail:
Forum3:その結実としての卒業公演は特別なものですね。
松山:ええ、特別です。 とくに群舞には力を入れたんです。 オイリュトミーの素晴らしさのひとつは群舞にあります。 卒業公演ではかなり集中して取り組めるんですね。
Forum3:現代曲でしたね。
松山:現代曲も古事記も難しい分野ですが、将来に向かうプロセスとして新しいことに挑戦していこうと、あえて安全圏から踏み出しました。 皆も「やってみよう」って、その分がんばってくれましたし、新しい発見もたくさんあった。 7月にはドルナッハでも上演するんですよ。
Forum3:それはいい。 皆さんにおめでとうとお伝え下さい。
初出:月刊オープンフォーラム Apr. 2007 / No.62
アルファ卒業公演・今後のプログラム(2007年5月現在)
◆ メルヘン作品『ききみみずきん』
- 6月9日(土)16:00-
横浜・ルンビニーわらべ園 - 6月16日(土)14:30-
福岡・桧原こひつじ幼稚園
◆ アルファ卒業公演プログラム
- 6月15日(土)19:00-
福岡・桧原こひつじ幼稚園 - 7月3〜5日
スイス・ドルナッハ / オイリュトミー学校卒業生大会オリンピアーデ参加
オイリュトミースタジオ・ルラ
T/F.045-716-3141
http://air.ap.teacup.com/musica/
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