白川静さんをしのぶ

「狂」の原形(部分)

白川静さんをしのぶ

言葉と文字に精神的な視点を拓いた
漢文学者・白川静さん追悼講演

 

白川静が面白い。

 

最後の碩学と呼ばれる漢文学の巨人・白川静氏が、昨年一〇月三〇日、享年九六歳で他界された。

白川静。漢字の成立には、一線一画に神と人との交わりとしての呪術的な意味が込められ、その一字一字が神の依代であるとし、実証困難な古代の精神文化への洞察を精緻かつ膨大な研究を通して学問に昇華させた。 その業績を、漢字学三部作『字統』『字訓』『字通』、あるいは『孔子伝』を通して知る方も多いだろう。 しかしその業績は著書を越えて、日本の文化の底に伏流の大河を生みだし、現代日本人の精神生活を静かに着実に潤している。

 

人智学と日本の文化の出会いを考えるとき、白川静氏の存在は限りない可能性の泉となる。 日本アントロポゾフィー協会理事長であり、言葉の専門家である鈴木一博さんをお迎えし、白川静という山脈をしばし逍遙してみたい。

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鈴木一博

鈴木一博
すずき かずひろ

1951年茨城生まれ。 言語造型家(シュプラッハゲシュタルター)。 早稲田大学および大学院において政治経済と独文学を学び、ゲーテアヌム附属・ことばとドラマの学校を修了。 2007年よりNPO法人日本アントロポゾフィー協会理事長。

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サイ

従来、口の象形と考えられてきた「口」を、白川静は神への言葉を入れる神器であるとした。 漢字の自然成立史観を180度転換させる大発見となった。

白川静(1910年4月9日 - 2006年10月30日)

漢文学者。 立命館大学名誉教授。 文字文化研究所所長、理事長。

漢字研究の第一人者として知られ、一般向けの著書に漢字学三部作『字統』(1984年)、『字訓』(1987年)、「字通」(1996年)。 中国でも研究が進んでいなかった甲骨文字や金文に見られる漢字の成立を研究史、その背景には呪術的な精神文化を認める文化研究の先鞭を付けた。

その業績は多くの思想家、芸術家、漫画家などに影響を与え続けている。

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