何気なくしたチョイス。何気なく発した言葉。
そんな何気なさのなかにすごい知恵が働くことがある。
このブログの名称、本当に何気なく選んだ言葉だが、日を経るごとに「これだ!」という思いが高まってくる。
ルドルフ・シュタイナーの社会有機体論は、社会を3つのパートに区分するという意味で、ドイツ語の原文ではDreigliederung(ドライグリーデルンク)と呼ばれている。Dreiは三で、Gliederungは区分とか分節を意味する。直訳すれば三分節(この訳は高橋巖さんが採用している)とか三区分となるが、なぜか日本語では三層構造と訳されることが多い。確かに三分節や三区分よりは語呂がよいし、イメージを喚起する言葉だと思う。しかし、この訳には問題がある。ルドルフ・シュタイナーの語る社会の3つの領域の関係性は、階層構造をもたないからだ。
「層」という言葉にはもともと重なりの意味が含まれているから、その言葉から思い浮かべるイメージのなかにどうしても縦方向の関係性を感じてしまう。英語訳もThree foldingと、若干似通ったニュアンスを感じる。三層構造は、もしかしたら英訳語の語感から取ってきた翻訳なのかもしれない。
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しかし、この3つの社会領域の関係に上下関係が入り込んでくることが不健康なのだ、とルドルフ・シュタイナーは言いたいのであって、関係性として見るならばむしろ「三つ巴」のイメージがもっともふさわしいと私は思う。
このDreigliederungの訳語をめぐって、いろいろ思いをめぐらせてきた。小貫大輔さんがフィリピンの活動家ニカノール・ペルラスさんの社会論の著書を訳そうと言いだしたときも、いい訳語がないかと知恵を出し合った。三分節、三区分、三領域、果ては三つ巴社会論というアイディアも(笑)。しかし、どうもしっくり来ない。
どうもこういうものは、井上陽水の歌のようなもので、探すのをやめたときになって見つかるものらしい。
三相至嘱?、三相至嘱?!、おっ、おお、をををっ! エウレカ、これだ! 三層構造ならぬ「三相構造」。これしかないでしょう。
「相」にはフォルムという意味もあり、また性質という意味もあり、相互性という意味合いも含まれる。ルドルフ・シュタイナーの社会有機体論を示す言葉として、これ以上のものがあるだろうか。
というわけで、今日からは「三相構造」。ははっ、ははははっ! これはうまい。「ドライフトワンに合うワード」に認定だ! はっはっはっ。
ドライフトワン公国
エミール・モルツ王子
